『パレードへようこそ』を観たよ

観たい観たいと思いながらずっと観ることができずにいたのですが、先日ようやく9/25からレンタル開始になっていた『パレードへようこそ』を観ました。

散々話題になった作品なので感想といっても今更なのですが、丁度いまアライを増やそうという活動に参加しているので、それに絡めて思ったことをいくつか。

パレードへようこそ』は、炭鉱で働く人々のストライキを支援する同性愛者の会の設立を切っ掛けに、両者が歩み寄っていく姿を描いた作品です。炭鉱の人々と言っても勿論一枚岩ではなく、中には最後まで同性愛者を拒絶したままのひともいます(そしてそこが嘘くさくなくてよかった)。

ロンドンで開かれたゲイパレードに駆けつけた炭鉱労働者組合の人々は、単純な言葉で表現するなら「アライ」なのだ、ということになると思います。

ですが、彼らの半数以上は最後まで同性愛者をきちんと理解しているわけではありません。「ゲイと友だちになってダンスを教えてもらえば女の子にモテる」という下心で親しくなった青年もいれば、「レズビアンは皆菜食主義者」と信じたままのおばあさんもいます(元ネタはVaginaとVegitarianをかけたダジャレ)。

それでも彼らの交流には遜色なく、そこには確かに友情が存在します。

相手のことを隅々まで理解するのは困難です。でも、相手のことがよく分からなくても許容することはできる。当たり前ですが、そんなメッセージが色濃く反映された作品でした。

勿論、相手のことを知らなくては不用意に傷つけることになりますし、本当に支援したいのなら理解しようとする姿勢は必要です。けれど、知識を身につけたからアライなのだ、とか、雑誌のLGBT特集を読んだからLGBTフレンドリーな人間だ、というふうには絶対にならないし、「知識がないとアライにはなれない」という難解で面倒くさそうなイメージが先行するのも避けたいなと思いました。

もうひとつ印象的だったのは、炭鉱の人々の中で「同性愛者支援派」と「同性愛者拒絶派」に分かれた際、そのどちらにも女性・若者・老人が皆組み込まれていたということです。

老人は保守的だとか、女性は社会的弱者だから同性愛者に共鳴してマイノリティ支援に動くのが早いとか、反対に意外と老人のほうが柔軟だとか、全て偏見でしかありません。老人の中にも良い人と悪い人はいるし、女性の中にも若者の中にもいます。

劇的なストーリーであるがために女性VS男性とか老人VS若者とかいう構図がしばしば使われることがありますが、この映画はそういう部分でも正直だなと感じました。

というわけで色んな人に観て欲しい良作だったのですが、日本でこれを観るとしばしばファンタジー世界の話だと思われそうなのが残念です。遠い国での非現実的なお話。ストライキのある国にはゲイもいるのだろう、みたいなイメージを抱かれないとよいのですが。ぜひ地上波でも流して欲しい作品です。