「結婚したら社会的評価を得られた」と真顔で言ってしまう人とは

引用元:Flickr

昨日のはてブの人気記事に「入社1年目で結婚したら上司と友人からの評価が圧倒的だった話」というのを見つけて、ちょっとモヤッとしたので書きます。

要はタイトルそのまま、「入社1年で結婚したら、周りの人が自分を見る目が変わり、社会的評価を得られた」という話と、なぜそうなったのかということについての、この人なりの推理が述べられています。

要約すると、この人の主張というのは、

「結婚できるということは、この人は誰かから人生を預けられるに足る人間なんだ」ということの証明になり、まじめであるという印象を与えると同時に、会社を辞めないだろうという安心感にもつながるのではないか(上司からの評価について)

普通はなかなか若いうちに結婚できないので、若いうちに結婚相手が見つかった妻の評価が上がり、また結婚に踏み切った自分の決断力も褒められているのではないか(妻の友人からの評価について)

ということでした。

まず第一に確認したいのが、これらの「評価が上がった理由」はあくまでブログ筆者が推測したにすぎず、誰かから直接「こういう理由であなたの評価が上がりました」と言われたわけではない、ということです。

ブログ筆者がどのような経緯を経て「自分の社会的評価が上がった」と実感するに至ったかにもよりそうですが、基本的にここに書かれていることは、ブログ筆者自身の価値観を相手の反応に投影して推測したものにすぎないと言っていいでしょう。

記事を読めば分かると思うのですが、この人自身には嫌味はないし、「若くして結婚するとこんなに素晴らしい」「若くして結婚した自分はこんなに偉い」という調子でも書かれていません。

おそらくブログ筆者は本当に「若くして結婚したからか、最近自分の株が上がったなあ。なんでだろう」と考えて、それを素直に書いたのだと思います。

だからこそ危ないと思うのです。

もうちょっと詳しく、この記事から推測できる、ブログ筆者の価値観について見てみたいと思います。

結婚という形が(現状異性間の)相手への究極の信頼の形である

逆に言えば、愛し合っていても結婚していないカップルは相手のことをそこまで信頼できていないのだ、ということになってしまいます。

結婚すれば当然男が女を養うのだから、夫は仕事をやめてはならない

問題なのはこの考え方そのものではなく、そうした発想が完全に内面化されて、何の疑問もなくするっと出てくるところにあると思います。

若いうちに結婚相手として選んでもらうことは女の誉である

読んでいて一番引っかかったのが、

巷(ちまた)では「よりよい結婚相手を見つける」ことが大事で、若くして結婚するのはリスクだ! みたいな風潮があるように思います。なので、私のように若くして結婚を決めたこと(+若くして結婚相手に選ばれた妻)を高く評価するのでしょう。

という部分。まず、なにも若くして結婚することがリスクだから晩婚化が進んでいるとは一概に言えないという事実誤認の部分が一点。そして「若くして結婚相手に選ばれた妻」と「選んだ自分」という構図。

凄く誠実で、飾らない人だからこそ、何の屈託もなく無邪気に「自分が妻を選んでやった」というようなことをポロッと言ってしまうのかもしれませんが。

そもそもこの人が本当に「結婚」によって評価されるようになったのかはわかりません。

単に彼の人柄のお陰で周囲から信頼されている可能性のほうが高いと思います。入社して1年。ちょうど相手がどんな人間だかわかってくる時期ですから、結婚と人望を得始めたタイミングが被ったのかもしれません。

妻の友人、というのも、この文面だけではわかりませんが、全員彼を元から知っていた人たちではないでしょう。

新しく知り合った人たちから、その人柄故に高評価を得た、ということなのかもしれません。

そんなわけで「結婚をしたら社会的評価が上がった」というその事実認識の正誤自体がそもそも問われるのですが、それを置いておいても、彼のシンプルでフラットな文面からいくつもの偏見がぽんぽん飛び出してくることが少しだけ恐ろしく、またブログ筆者に全く悪意が無いだけに複雑な気持ちになってしまったのでした。

自分のモヤモヤした感情を整理して言語化するために取り敢えず書いたので、変なところがあったら後ほど修正を入れたりするかもしれませんが、とりあえず筆を置きます。